「横浜骨董ワールド骨董縁起帳」

Happy Easter! バニキンが楽しませてくれる日々の暮らし!


大雪が降り積もり、寒かった今年の冬にもお別れ!美しい春がやってきました。庭のあちこちで頭を出した球根や新芽を吹き出した木々を見ると、春が感じられて、ワクワクしてきます。

長く寒い冬から春を迎え、喜びもひときわ、欧米でもこの時期は特別な季節になります。英国のことわざに「春はライオンのようにやってきて、子羊のように去る」がありますが、かわいいうさぎたちも同様に待ちに待った春を連れてくるのですよ。残念ながら、日本ではクリスマスやハロウィーンはすっかり定着していますが、うさぎのイースターは余り知られていませんね。イースターは復活祭とも呼ばれ、キリスト教の暦や行事の中では一番重要。十字架につけられて死んだイエス・キリストが3日目によみがえった事をお祝いしています。イースターの語源はさかのぼる事、8世紀。古代世界の春の女神「Eostre」からと言われています。当時はキリスト教というわけでもなく、厳しい冬から草木が萌え、動物が繁殖するという素晴らしい、命の出来事を祝い、楽しんだようですが、その後のキリスト教の全国的布教に伴い、同調してきたと言われています。

去年のイースターは3月31日でしたが、今年は4月20日になります。毎年春分の日を基点として、すぐあとにやってくる満月をとらえ、その後一番早くやって来る日曜日(キリスト教の聖日)がイースターになります。歴史的には4世紀くらいからこの計算にのっとり、日にちが決められていたようですが詳しい理由は良くわかりません。イースターの日には各教会で特別な礼拝が行われ、イギリス人の様な普段は余り教会に行く習慣のない人たちまで、着飾って礼拝に出席します。帰宅後は家族や友人を招き、イースターランチを楽しみ、エッグハントやエッグロール、エッグレースに興じます。

エッグハントはイースターのハイライトとも言われ、事前に教会や学校、家庭でゆで卵を用意し、パステルカラーに染めて、庭や木陰に隠しておきます。集まった子供たちはまるで運動会のように、ヨーイドンで走り、卵探しを始めます。エッグロールは丘の上から卵を割る事なく、下まで転がすゲームですが、なかなか卵がいう事を聞いてくれず、大変です。エッグレースは日本で言うスプーン競争(おたま競争)で、スプーンの上の卵を落とさないように乗せて走り、順番を競います。

*「カントリーショップのウインドーはすっかりイースター!」

イースターのシンボルとされている、うさぎや卵、ひよこはどれも多産で元気、生命の象徴ですからこの時期は特に人気ものなのです。そして欧米では4月はすでにDaylight spring time(サマータイム)ですから日中の時間も長く、穏やかな太陽を浴びながら待望の春の一日を楽しむ事はキリスト教におけるイースターの意味以上に大切で至福な行事になりました。

英国のうさぎと言えばピーター・ラビット。ビアトリクス・ポターが友人の息子に宛てた絵手紙から絵本となり、ブルーのジャケットを着たピーターは一躍人気者となりました。ピーターとその姉妹フロプシー、モプシー、カトンテール、そしてお母さんが家族。残念ながらおとうさんは人間のマクレガーさんの畑で捕まり、パイにされてしまいました。幸せな様でハードなお話がいかにも英国のユーモアなのですが、お母さんうさぎがしっかりピーターと姉妹達をしつけ、面倒をみています。

ピーター・ラビットをシンボルとした食器を製作しているのがウエッジウッドならピーターに並んで大人気のうさぎちゃん、バニキン製品で楽しませてくれるのはロイヤル・ドルトンです。ロイヤルドルトンは1815年にJohn・DoultonがJohn・Wattsの協力を得て、ロンドンのランベスで創業したストーンウエア商でした。2代目Henry Doultonになってからは事業を拡大し、ボーンチャイナ製造に尽力しました。バニキンが発売されたのは1934年でしたが、そのバラエティーや可愛いしぐさにピーター・ラビット以上の人気を集め、今も英国のみならずの沢山のコレクターに支持され、収集が続いています。

絵付けは勿論手書きなのでひとりひとりの表情が微に違い、比べてみると楽しいですね。亡くなったダイアナ妃はこの可愛いバニキンシリーズの食器をウイリアム王子に与え、育てたとの事ですが、キャサリン妃はジョージ王子にも使っているのでしょうか?興味がありますね。バニキンシリーズの基本は家族団らん。絵皿にはお父さん、お母さんや子供たちが仲良く食事をしたり、楽しんでいる様子が描かれています。特に人気があり、コレクターが目を離さないのがバニキン人形です。いろいろな場面や職業を表現したバニキンたちはひとつひとつ見ていくと本当に楽しいのですよ。

コアなコレクターにならなくても、気に入ったうさちゃんを手に入れて、ちょっとした所に飾ってみませんか?ふと目があったりして、その表情に心が豊かになりますよ。うさぎちゃんと一緒の楽しいイースターになりますように!



(写真左より)「Romeo & Juliet」うさぎ版にはシェークスピアもびっくり!「Judge & Lawyer」2人のウイッグ(かつら)は今でも英国で使われています。





(写真左より)「Bride & Groom」と「Bridesmaid」結婚のお祝いにいかがでしょう? 「Boy skater & Girl skater」しっぽがプリプリ!女の子はピンクの襟巻きに白いボンボンがとても可愛いですし、男の子の黄色い帽子に白いボンボンもラブリーです。





(写真左より)「Rainy day」うさ君は長靴をはいて、雨道をびしょびしょ歩いているのかしら? (写真左より)「Gardener」いかにも英国うさぎ!エルボーパッチの付いたジャケットと帽子がジェントルマン。襟にはお花も挿してあるのですよ。「Fisherman」海辺の町、ライやウイットビーにたたずむ、マドロスさんかな?





(写真左より)「Father」ウインブルドンスタイルかな?おしゃれなストローハットとストライプジャケットで急ぎ足。「Bath time」バスローブうさ君はイニシャル入りタオルとアヒルを持って、これからお風呂タイムかしら?グリーンのルームシューズもおしゃれ!「Nurse」泣きべそうさ子ちゃんをあやしながらの治療です。「Milk man」手にしているミルク入れバスケットはアンティークフェアーでも人気です。ストライプエプロンに赤いセーター、ブルーのネクタイに拍手!

(写真左より)「Bedtime」お眠のうさ君はテディベアーと一緒におやすみなさいのお祈り中。ストライプのパジャマがラブリー。「Sleepytime」ピンクのパジャマの手が大人っぽい!兄弟2人仲良くおやすみなさい!