「横浜骨董ワールド骨董縁起帳」

ハーブマジック!

自然のちからを頂いて、もっと元気でステキな日々を!


春たけなわの4月、時には初夏を思わせる様な風が頬をなでたりとステキな季節になりました。とは言え花粉症の方にはとても辛い時期、それぞれの対処法で克服と共存、お見舞い申し上げます。おかげさまで今のところ難なくこの時期を過ごしている私ですが日ごろからハーブや体によさそうなものを多く取り入れるようにして健康の為に色々と気をつけているのですよ。元気あっての幸せ!ですから。

英国は何につけても注目すべき事が多い国。古くさい文化が今だに生活の中に浸透しているかと思うと、若者の中からロックンロール、ミニスカートなど旧体制に反抗するような文化も芽生え、定着し、影響を及ぼすポップな国!だから英国って目が離せないのですが。 医学の世界でも最先端の技術や考え方がある一方、古代から受け継がれてきた植物、果物、スパイスやハーブを使った自然療法も盛んに行われています。ご存知ですか?私たちが日ごろイギリスと呼んでいる島国の正式な名前は、「グレートブリテン、および北部アイルランド・連合王国」といいます。グレートブリテンとは「イングランド」、「スコットランド」、「ウェールズ」の3つの国で成り立っていて、それに「北アイルランド」が加わりこの4カ国を「イギリス(UK)」と呼んでいるのです。5世紀の初めにローマ帝国が当時のブリタニアから去ったあと今のデンマークやドイツにいたゲルマン人が島に渡ってきて先住のケルト人を支配、その文化を閉じ込めてしまった所が今のイングランドという訳です。幸いにも、あとの3地域では今でもケルト人、ケルト文化、ケルトの言い伝えや習慣、言語が残っていてハーブによる治療やアロマセラピーに多大なる影響を及ぼし続けています。

キリスト教がヨーロッパ全体に広まる前、ケルト文化の基本になる宗教は自然崇拝多神教のドルイド教でした。この土着信仰は自然の霊的な力から由来するので太陽や月、土地や収穫の神々を崇めました。祭礼を司るドルイド僧は神への生贄の儀式を行い、哲学者、法律家、天文学者、教育者、医術者、詩人でもあり、予言や呪術も行い民族の日々の暮らしを指導するものとして君臨していたようです。冬でも枯れる事のない樫の木とヤドリギは不滅の霊魂を象徴していた為に彼らに神聖なものとして崇められました。ドルイドとは「樫の木の賢者」という意味で、この賢者達は樫の森で魔術や今で言うヒーリング術を競っていたようです。しかし残念ながら彼らは文字を持たなかったので吟遊詩人がその文化の伝承を支えたと言う事です。ケルトの伝説や神話は妖精や妖怪が人間や神、動物と結婚したり、子供を生んだり、すべての生き物には密接な関係があるというような考え方なので少々奇怪です。10月31日のハロウイーンの起源はドルイド教の大晦日であり新年であるこの日。そして魔女のストーリーというのも納得いきますね。今年又恒例の来日を果たす「リバーダンス」もケルトの歴史や宗教観を見せてくれる傑作です。

古代の医療やハーブによる治療、ハーバリズムは教会の支配下にあり、修道院や教会には必ずと言っていいほど薬草園があり、病人の手当てもしていたようです。16から17世紀には東インド会社事業を通してのオリエンタルハーブの輸入も始まり益々ハーブ熱が高まりました。英国の自然療法と言えばニールズヤード&レメディーズのロミー・フレイザー氏、1981年にロンドン コヴェントガーデンにお店をオープン。専門家やセラピストだけでなく、一般の人たちにメディシナルハーブやアロマセラピー、ホミオパシー、フラワーエッセンスなどの自然療法を日常生活に取り入れて欲しいと考え、製品や自然化粧品を販売し始めました。そして同時に自然療法を学んだり、セラピストによる本格的なトリートメントを受けられる場を提供することにも力を注いでいます。 日本にも古来からショウガやシソ、ミョウガ、ねぎなどのハーブとは意識せずに生活に取り入れてきた健康に良い植物が沢山ありましたが西洋ハーブにはあまり馴染みがありませんでした。今はどこのスーパーマーケットに行ってもハーブコーナーがあり、ハーブを生活に取り入れた暮らしも定着しつつありますが。ハーブはいつの時代も民衆の医学として珍重されてきたものですから家庭の毎日の食事の中にも沢山取り入れて、日々元気ハツラツでいたいものですね。

ハーブをたっぷりと使ったライスサラダをご紹介しましょう。
ライスサラダに使われているハーブたちのうち、ディルはせり科のハーブ、葉には良い香りがあり消化器系の病気や不眠症に効果があるようです。中世ではしゃっくり止めに使われていたとか。おなじみのバジルはシソ科でそのうっとりするような香りは精神疲労を癒してくれます。古代では神の力の宿った植物として珍重されていたようです。チャービルもセリ科のハーブで消化を助け、循環器系の病気にも良いとされています。元気の出るハーブ、肌を美しくし、しわをなくすとも信じられています。イタリアンパセリもセリ科でお料理にはとても使いやすく、呼吸器や消化器系にも良く働き、怪我や虫刺されの消毒に湿布材として使うと有効なようです。そんな元気のもとのようなハーブたちを使ったライスサラダを是非お試し下さい。

宝石を散りばめたようなライスサラダ
材料:
米 1.5カップ
きゅうり 1本
セロリ 1本
ニンジン 1/2本
ハム 4枚
チェダーチーズ 100グラム
オリーブ 適量
ディル 適量
バジル 適量
チャービル 適量
イタリアンパセリ 適量
リンゴ酢 大さじ3
オリーブオイル 大さじ6
塩 大さじ1
コショウ 少々
マスタード 大さじ1
メープルシロップ 大さじ3
*付け合せにレタス、トマト、メキャベツ、クレソンなどを用意する

作り方:
1. 米はかために炊いておく
2. ニンジンは小さいサイコロに切ってからさっと茹でておく
3. キュウリ、セロリ、チェダーチーズ、オリーブも小さいサイコロに切る
4. ハム、ハーブを切る
5. リンゴ酢、オリーブオイル、塩、コショウ、マスタード、メープルシロップをあわせてドレッシングを作る
6. (1)から(4)までの材料を合わせて(5)のドレッシングであえる
付け合せの野菜と一緒に盛り合わせる